わき役の私

意識




「中山~!」


休み時間、端の方に集まる男子たちから手招きされる。


私は席を立って、その男子たちの前に立った。



「何?」
不思議に思いながら聞くと、潜めた声で「美砂ちゃんの事なんだけど~」
と話を切り出される。


美砂はどんな人がタイプなのか、好きな人は居るのか淡々と聞いてくる男子。


「本人に聞けばいいのに…」
と口にすれば、「お前親友だろ!?」とか「気軽に声掛けられたら苦労しねーよ」とか口々に文句を言う。


これが、私と美砂の扱いの違い…

ため息を吐けば、クラスの女子が騒ぐ声がした。


何事かと、その場に居た男子たちと教室の入り口を見れば、
朝倉君が教科書を持ってキョロキョロしていた。



美砂を見つけた朝倉君は、一直線に歩いて行き、美砂に借りた教科書を渡す。





 
< 10 / 35 >

この作品をシェア

pagetop