不良狼の一途な溺愛

最悪な出会い

「柚、今日は朝から大変だったね…。」


「う、うん…。」


一日が無事に過ぎていき、放課後。


私は帰り支度をしながら彩織と朝のことを話していた。


「でもさ、席は…なかなかいい場所だよね〜！私の席なんて、教室のど真ん中だよ〜。」


彩織は苦笑いをしながら自分の席の方に視線を向けた。


そう言えば…
あの一番前の席の人…


今日は結局、学校に来なかったなぁ…。


「ねぇ、彩織。あの席のシドウっていう人…。あまり学校に来てないの？病弱な人？」


なんとなく気になって聞いてみると、彩織は目を見開いた。


「えぇっ！？柚、まさか紫堂君を知らないなんてこと…ないよねっ！？」


「へ？」


そ、そんなに驚くようなことなの…？