恋のプレリュード~私は先生のお嫁さん【番外編】~
千里Side

いつもの二人

「南兄ちゃ~ん♪」

「あぁ…千里、おかえり。早かったじゃん。」

「えへへ~♪」


当たり前じゃん。
南兄ちゃんには内緒だけど、帰りの会が終わってから超急いで自転車こいで帰ってきたんだもん。


もちろん、早く南兄ちゃんに会いたかったから。



私は小学校に上がる頃まで南兄ちゃんを“南くん”って呼んでいた。


だけど、私はやめた。

だっていろんな女の子が皆、南くんって呼ぶんだもん。

私だけ…違う呼び名で呼びたかった。
だから、小1からずっと“南くん”ではなく“南兄ちゃん”。

私はずっと小さい頃から南兄ちゃんに片想いをしている。

大好きな南兄ちゃん。
私のこの気持ち、南兄ちゃんに伝えたい。

だけど……


もし、気持ちを伝えて気まずくなるかもって思うと…今のままでいいかな?って思うのだ。


「どうした?千里。
ボー、として。」

「え!?…あ、うん。なんでもないよ。


ところで、南兄ちゃん、お仕事どう?

てか、いつも思うんだけどこの時間ってまだ学校にいなきゃダメなんじゃないの?」

「あぁ、教師?大変だよ。


ん―……。まぁな。本当はまだ学校にいる時間かもだけど、
俺はまだ研修生で勉強中だからいいの。


「ふーん、そうなんだぁ。」

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