もっと早く逢えていれば良かった

綾乃の生活

「水無瀬財閥、って知ってる?」



「ある程度は……もしかして」


「そう。そのもしかして、だよ」



きっとあたしは酷い顔をしてるだろう。




「自分で言うのもなんだけど、あたしは水無瀬財閥のお嬢様なの」




話すのが辛いよ。



「そのせいであたしの周りはメイドや執事ばっかり…お母さんはあたしの小さい時に死んじゃった…」



目頭が熱い。





「お父さんと話したのも一度か二度くらいしかなくて、1人で居るのが普通になってしまっていたの」



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