強引な次期社長の熱烈プロポーズ

４．突然の待ち合わせ

＊


チチチチチ

鳥のさえずりが聞こえてくる。
カーテンの隙間から差し込む陽射しがいつもよりも明るく、眩しく感じる。

枕もとの携帯で時間を確認すると、８時半。
いつもなら今頃会社に向かっている頃だ。
百合香はベットから体を起してカーテンを開けた。

今日は月に一度の定休日。
ランダムに設定されているこの定休日は、土日祝以外の平日に月に一日ある。
百合香はこの定休日をいつも特に何をすることもなく、自由気ままに過ごしてリフレッシュしていた。

キッチンに向かい、冷蔵庫を開けミネラルウォーターをコップに注ぐと、それを口に付ける。
その時百合香の携帯に着信が鳴った。


【ｆｒｏｍ：桜井綾
　ｓｕｂ：おはよ

昨日もお疲れ様！百合香、今日ひま？ひまだよね？１３時に駅前のいつものカフェで待ってるよ♪】


（なんて一方的なメール…幸せな二度寝、できなくなっちゃった。
だけどこんな桜井さん、嫌いじゃないな。）

そんな風に一人で笑うと、時計を見て、出かける支度を始めるのだった。