家元の花嫁【加筆修正中】
新生活≪ゆのの巻≫
藤堂家に住み始めて数日が経った。
あれよあれよという間の数日。
私は自分の適応能力の凄さに正直驚いている。
玲に報告した際は凄く驚いていたけど、
『野宿するよりマシ』だと、返って安心した様子。
一応、お兄さんの紹介というのもあるし、
相手が誰なのか、ハッキリしてるというのが1番の理由らしい。
隼斗さんのご両親は物凄く優しい。
私を本当の娘のように接してくれている。
時折、彼のお母さんのテンションの高さには、
驚く事もあるんだけど、決して悪い人では無い。
どちらかというと、とても正直で朗らかな人だ。
昼休み、玲と教室で話をしていた。
「ねぇ、どうなの?彼とは上手くいってる?」
「上手く……ねぇ……?」
「その………もう、しちゃった?」
「しちゃった?って、何を?」
「何って、アレを……」
「アレ?…………って/////しっ、シてないよ!!/////」
「へぇ~。彼、意外と真面目なんだぁ」
玲は含み笑いをしながら、パックのジュースに口を付けた。
他の子もいる教室で『アレ』とか『シた?』とか聞かないでよ!!
周りに聞こえたらどうするつもり?!