Line ~何時ものセリフで~

2.

2週間前、結が俺の家に来たあの日…


あんなかたちで結と別れた俺は
自分の不甲斐なさに腹立たしくて、
床に拳を打ち付けていた

ふと後ろに人の気配を感じ
振り向くと麗子が立っていた…


驚き戸惑う俺に、彼女は結とのやり取りを聞いて、いたたまれなくなり出てきたと
意識は1ヶ月近く前に戻っていたこと
そして、全てを話してくれた……



意識が戻り、自分の置かれている状況を
理解した彼女は再び自殺を選んだ時に
引き戻されてしまった

彼女の苦悩は、俺が考えていたものとは
違っていた…

そのために意識が戻ったことを伝える
べきかずっと思い悩んであの日まで
来てしまったが、
彼女は自分がどれだけ回りの人に迷惑を
かけ、傷つけていたかを知ったと、
申し訳ないと言っていた


でも自殺の原因は俺にあったわけだから自身を責める必要はないと…


彼女は涙を流して『貴方のせいじゃ
ない』と本当の理由を話してくれた
それは、彼女の苦悩そのものだった…。
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