白緑蝶"vacances【続2】

私の安定剤

長い長い一日が終わる頃

ロサンゼルスで過ごす最初の夜

深い夜・・・

貴方は約束通り、お酒を少し
嗜む程度で私の元に戻って来て
くれた。

出産後、授乳の為にお酒をやめ
てから飲む量が減った私も今夜
は少し多めに赤ワインを頂いて
火照る体をシーツに包み、今
ベッドに横になって瞳を閉じて
いる。

ゆらは、部屋をカーテンで間切
りされた向こう側でテオさんが
ゆらの為に用意してくれていた
ピンク色の簡易ベッドで寝息を
たててお休み中。

私の頬に触れる、唇・・・

貴方の髪が、私の頬に触れる。

「眠ったの?」

その声に私は唇を緩めてみせた

「ソラがいないと眠れない」

貴方はベッドに座る。

「ひわがいると眠れない」

「どうして?」

「聞くなよ

 知ってるくせに・・・」
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