雪が降る町~追憶のletter~

3.変わらない部屋、変わった君

「お、おじゃましまーす・・・」


バレたらマズイ、と忍び足の小声でそう晶は言って入る姿はまるで泥棒。
快斗の部屋に入るなり、そんな心配を忘れるような光景が目に飛び込んでくる。


「・・・・!」

何も変わってないその部屋。
今にも中学生の快斗が出てきそうなくらいそのまんま。
それがなんだか安心できて、嬉しくも思った。


部屋に入り、ドアがギリギリ閉じられる位の距離の所で突っ立ったままの晶に快斗が後ろから声を掛けた。


「おい、なんだよ?突っ立って」
「えっ?あ!ご、ごめん」


不思議そうにしながら快斗は自室だけあって寛ぐように机の椅子に腰を掛け、足をベッドに放り投げた。
快斗は晶を見てみるが、やはりまだそこから動くことをせずに、静かに部屋を見回している。


「・・・見過ぎ」


鋭く突っ込まれると晶は部屋の中央にある小さな折りたたみテーブルの前にちょこんと座った。


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