ランデヴー II

<傍にいたい>

3月は年度末ということもあり、その上月末に差し掛かった現在、忙しい日々が続く。


多分に漏れず、私は毎日遅くまで働く日々だった。



紗英ちゃんとはあれ以来、可もなく不可もなくといった調子だ。


以前のようなトゲのある態度はなくなったものの、だからといってフレンドリーという訳ではない。


つかず離れずのこの距離は、とても居心地が良かった。



紗英ちゃんの外見は少しだけ変化していて、ベースは変わらないもののアレンジしようという意識が見えた。


例えば、髪型はウェーブの髪を切って肩までの長さになったし、私が普段会社では履かないGパンを履くようになったり。


少しずつだけど、自分自身に似合うスタイルを模索しているようであった。



そんな彼女は以前よりずっと輝いているように見えたし、付き合いやすく感じる。


と同時に、ホッと安心している自分がいた。



人間なんて、所詮自分が1番大事だ。


最終的にはやはり安全な場所に立っていたい。


紗英ちゃんのことで煩わされることがなくなった今、私の周囲は平穏を取り戻しつつあった。
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