センセイと一緒 ~feel.White~

4.離したくない





家を飛び出した鈴菜は、夜道を当てもなくふらふらと歩いていた。

目尻から涙が零れ落ちる。

……好きなだけでは、どうにもならない……

母の言葉が鈴菜の胸を引き裂いていく。


けれど……

鈴菜の心はもう、尚哉に惹き込まれてしまった。

もともとひとつの心だったものが、二つに分かれて鈴菜と尚哉になった。

そして今、二度と離れないように、これまでにない強さで惹き合っている。

……そんな気すらする。


もう……

別れるなんてできない……


このままでは尚哉の将来も、自分の将来も危うい。

万が一、両親が学校にこのことを告げたら……

最悪の場合、尚哉は『最終手段』に出るだろう。

そしてそうなった場合、自分も尚哉も全てを失う。

……お互い以外の、全てを。



< 126 / 215 >

この作品をシェア

pagetop