溺愛キング
我慢
矢耶side―――――*―――――
閉まったドアを振り返って見た。
藍は追いかけて来ない。
なんだ、ちょっと残念。
もしかして、やり過ぎたのかな?
藍、拗ねたのかな。
けど、一週間だもん。
そんなに長くないよ。
藍も大げさだよ。
チラッと時計を見た。
もう、夜中の2時だ。
『うわっ、こんな時間?!寝ないとヤバいよ!あ!海亜とかにも連絡…』
携帯をリビングに置いてたのを思い出した。
取りに行くの、やだ。
藍に会っちゃうし。
うん、寝よう。
疲れちゃったし、寝るのが一番!
布団をめくり、ベットに入った。
キングサイズのこのベットは一人で寝るには大きい。
隣に藍が居ないのは変な感じ。
なかなか寝付けなくて、ゴロゴロしていた。
すると、
ガチャ―――…
藍が入ってきた。
多分、もう一度お風呂に入ってきたのだろう。
藍から微かにシャンプーの匂いがした。
藍はベットに入るなり、反対方向に向いていた矢耶をそっと、自分の方へ向かした。
ちょっとドキッとした。
寝てないこと、バレた?
「矢耶…ほんとにごめんな。せめて寝る時だけは抱きしめさせて」
……………。
なんだろう。
モヤモヤする。