プライマリーキス 番外編&溺愛シリーズ

(9)言ってごらん? <美羽>

「言ってごらん?」
 低くて甘い声が私の耳を刺激する。

「んっ」
「言わないなら、抉じ開けてもいいけど?」

 唇を塞がれて、舌で下唇と上唇をなぞられて、そのまま口腔内に舌を差し込まれた。

 舌と舌を絡ませ合いながら、彼は瞼を閉じないで、私を試すように見ている。その視線が色っぽすぎて、キスだけでゾクゾク感じ始めている。

「唇の次は……どこを開けてあげよっか?」
「やっ」

 ブラウスのボタンをプチンと外されて、首筋に熱い吐息がかかる。
 彼に跨ってしがみつくみたいな格好をさせられて、上を脱がされてしまった。

「今日はフロントホック」
 指で転がされて、みるみるうちに硬くなってしまう。
 わざと揺らして、股を擦りあげるような動きをするから、ずるい。

 言えないでいると、胸をやさしく揉みしだきながら、唇を寄せた。
 舌でつっと舐められて、微粒子が駆けあがっていく。

「はっ……あっ」
「ほら、美羽。そんなになっていくと、最後まで言えないよ。早く」
「ダメ……」

「キスして……欲しいの?」
「ちが、……んっ」
「じゃあ、何? 言わないと、お預けだよ」

 待ってましたと言わんばかりのセリフに、私は顔が赤くなる。

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