淫靡な蒼い月

禁断


触れてはならない。


愛してはならない。


彼は、既に別の女性のもの。


ああ、でもなぜ?


その瞳に見つめられると、胸の中で硝子が砕ける。


“欲してしまう”


体内に宿る、めくるめく熱。


溶けてしまいそうなほどに熱く火照る核。


あなたは罪な人。


左手の証が、胸に刺さる。


だけど、止められない。


愛しています。


果てしなく。


その唇でどうか、わたしを壊してください。


その逞しい熱で、わたしを貫き殺してください。


白い衣が、柔肌を滑り落ちてゆきます。


飛び出した体。


揺れ踊る、黒髪。


ああ、また今夜も、わたしは……。


愛しい義弟と交わす、濃密な宵。


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