届カナイ愛ト知ッテイタノニ抑エキレズニ愛シ続ケタ…

8 重なる偶然


「ねえ、男の人って、誕生日に何をもらったら喜ぶのかな?」

いつものように、ベッドの中でお兄ちゃんの腕まくらの中。

何気なくお兄ちゃんに聞いてみた。

「どうした?」

「うん。絢音の大好きな大迫先輩が、あさって誕生日なんだって。でね、絢音が何をプレゼントしたらいいかなって悩んでて。」

「そうか…どんな先輩なんだ?」

「うんとね…サッカーが上手くて、ファンクラブみたいなのがあるくらいカッコいいんだよ。」

「そんなにカッコイイのか…。」

なんて、ため息まじりにちょっと寂しそうな顔。

「でも、あたしは、お兄ちゃんが好きだよ。」

だって、大迫先輩はカッコいいとは思うけど。

恋愛対象じゃないし。

あたしは、お兄ちゃんの方がカッコいいと思うもん。

それに、お兄ちゃん以上の人なんて、世の中にいるのかな?

「なんか…喜んでいいのかな?」

複雑な顔をして。

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