雨の日の追憶 〜クランベールに行ってきます 本編ロイド視点〜

「どこの田舎者だ」(3)

「これ、世界地図?」
「あぁ。世界地図も見た事ないのか?」


 呆れたように嘆息するロイドに、女は叫ぶように反論する。


「だって! 私の知ってる世界地図と違うんだもの!」
「はぁ?」


 ふざけているようには見えないが、何を言っているのかわからない。

 女がロイドの前に、手の平を広げて差し出した。


「書くものちょうだい」


 ロイドは白衣の胸ポケットから、メモ帳とペンを取り出して女に渡した。
 彼女は床の上にメモ帳を置いて、そこに何やら絵を描いている。

 出来上がった絵をロイドの前に広げて、女が指で指し示した。

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