《完》BLOODMOON~あやかしの花嫁~
九巻*遠いキヲク

物の怪の姫様~花奏side~

夢だと思いながらもその夢は現実味を帯びていた。


時は平安時代。


私の父親は先々帝の五の宮。血筋は良く、高貴な家柄の生まれ。その父も10年前に亡くなり、今は病に臥した母親と二人暮らし。


日々の生活にも困窮していた。

私は花の盛りの16歳。


破れた御簾越しに寂れた庭を見つめる。


身につけている衣も色褪せた見窄らしい…


私の友と呼べるのは庭に訪れる妖たち。


妖と言ってもピンからキリまで居る。

私の周りに寄って来るのは力の弱い妖ばかり。










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