ゴースト ――あたしの中の、良からぬ……

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「ごめんね、いつも部活途中で切り上げさせちゃって」

「ううん、いいからいいから」


克己は陽気に言うと、あたしと肩を並べて歩き出した。

克己の方がほんの少し背が高い。


「柚希って背高いよな。オレ彼女よりだいぶ背が高いのが理想なのに」

「……」


ブツブツ言ってる克己の「彼女」という言葉をあえてスルーする。


バスを待つベンチに並んで腰掛けると、克己が軽い調子で切り出した。


「ねぇ、柚希」

「なに?」

「今からさ、時間あったら……ケーキでも食べに行かない?」

「……ごめん」


あたしは首を振った。

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