スイートスキャンダル

★気分が急下降の夏休みです。

―――――――…



……どうしてこうなったんだっけ?


二本目の缶ビールを喉に流し込みながら、つい1時間程前の記憶を手繰(タグ)り寄せる。


左側には、綺麗な景色。


右側には、満面に笑みを浮かべたイケメン。


一般的に見れば最高なシチュエーションなのかもしれないけど、数年前から干物街道まっしぐらで生きて来た自分(アタシ)には、あまり喜ばしい光景じゃない。


だけど…


「遥さん、もう一本飲みますか?」


あたしはこれまでの時間で、どうしたって解放して貰えない事を悟った。


仏頂面のまま、目の前に差し出されたビールを受け取る。


「……どうも」


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