ギルディラヴ~社長と誓う偽りの愛~
《6》社長と秘書の婚約

~十和子side~

中華街でも有名な高級中華店『桜華楼』


古の中国の王宮を思わせる建物の外観。



エントランスはクリーム色の清楚なタイルが敷かれていた。


目を惹くのが、お金の模した双銭形の透かし窓。
福の象徴とも言われている。その透かし窓の向かうはカウンターBar.
酒棚にはびっしりとボトルが綺麗に並んでいる。



会長夫妻が待つ場所は2階の個室。


「行くぞ」


ボーッとしてる私の腕を掴む風宮さん。


私たちは青いチャイナドレスの着る女性に案内され、2階へと上がっていく。


天井の朱塗りの梁は何本も奥まで続く。


待ち合わせの場所の個室はいちばん奥。



「遅くなって申し訳ありません・・・」


風宮さんは早速、社長に声を似せて、遅れた侘びの挨拶。


「仁科君が…京平の相手?」


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