溺愛ごっこ

Fourth

「ここでいいから」

「そう」

昼過ぎにラブホテルを出て、途中まで送ってもらった。

「何かあったらまた呼んでよ。

すぐに飛んでくから」

「ありがとう…」

お礼を返したあたしに久世はニッと白い歯を見せて笑った。

住んでいるマンションの前まで行くと、見知った人影がそこにあった。

無視することにした。

「待てよ」

腕をつかまれた。

「何?」

顔を見ないで返事をする。
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