青のキセキ

【大和side】

翔の結婚式の翌日。




出社前に得意先に寄る。



電車に揺られながら、昨夜見た夢を思い出す。








何かに怯え肩を震わせる、後ろ姿の女性。

ゆっくりと振り向いた女性の眼に浮かぶ、1滴の涙。


その瞳がとても美しく、俺は思わず彼女を抱きしめた。



彼女の耳元で囁く。

「何に怯えてる。そんなに震えるな」



彼女の瞳がゆっくりと閉じられ、溢れた涙が頬を伝う。


頬に手を添え、親指で涙を拭ってやる。


重なる視線。
見つめあう。

彼女の瞳に吸い込まれるように、俺は彼女にキスをした。



彼女が吐息を漏らすのと同時に、舌を彼女の口内に挿れる。


彼女の舌を捕らえ、絡める。




「……海……堂さ……」




彼女が俺の名を呼びながら、さらに甘い吐息を漏らす。



「…俺を煽るな」


さらに彼女の唇に自分の唇を重ね、彼女の中を侵す。




彼女の身体から力が抜け、腕で支える。



そのまま、しばらく抱き合う2人。







そこで甘美な時間が途切れ、携帯のアラームで現実に呼び戻された。











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