《続》跡目の花嫁さん~家元若旦那の危ない蜜月~

社長夫人の頼みゴトー和也SIDEー

相馬社長の頼みゴトとは言え、どうして俺が…



俺は玩具の入った手提げ袋を抱えて、早祐ちゃんの眠る病室に向かった。



「!?」


ちょうど、病室から出てきた美苑夫人と出くわした。



「あなたは確か…営業部の緑川君」
美苑夫人は新入社員の俺の名前を憶えてくれていた。



「はい。緑川です。でも、今は営業部から異動して社長秘書しています」


「緑川君が秘書!?祐早斗…何考えてるの?あなたは華道の次期家元で」


「それは別に気にしなくても…俺の素性は社内では関係ありません…それよりもこれ」


「・・・こんなに沢山の玩具…早祐も要らないわよ」


美苑夫人は呆れ返っていた。




< 103 / 191 >

この作品をシェア

pagetop