雨が見ていた~Painful love~

・earnest~ホンキのキモチ~



「…や、ヤダよ。」


「…はぁ??」


「な、なんで目なんて閉じなきゃいけないのよっ!!」





じっとりとした目でキョウちゃんを睨んで、ゆっくりと後ろに体をのけぞらせると


「……お前は…アホか。」


呆れたような顔をしてポリポリと頭を掻くと、キョウちゃんはゆっくりと私に顔を近づける。






――え、え、えぇ~~っ!!?






だんだん近づいてくる、キョウちゃんのキレイな顔


中性的なアイドル顔じゃなく、オトコらしい濃い顔立ち





半裸のキョウちゃんはたまらなくセクシーで。


髪から垂れる雫がキレイに整ったその体に落ちるたび、私は不覚にもドキドキしてしまう。





厚い胸板

キレイに隆線を描く背中

そして、私の手をつなぐ、大きな手






――ヤバイ…やばいよ、私。







ありえないことだけれど…
何故だか、キョウちゃんにドキドキしてる。



ワガママ王子の見せる弱さと、彼の熱い視線
キレイな彼の均整のとれた体に、私の中のオンナが目覚める。





――な、なんで??なんで??


相手はキョウちゃんなんだよ!?
幼なじみで、レイプ魔で、悪魔の申し子、私の不幸の元凶の、あのキョウちゃんなんだよ!!?




ドキン

ドキン

ドキン




なのに…
私の心臓が張り裂けそうなぐらいドキドキする。



キュウンッって音が鳴るほどに
胸が締め付けられるように苦しくて



このまま死ぬんじゃないかってくらい、心拍数が上がりだす。





――なんで!?なんで!!?





ヤバイ…
やばいよ、私。


このまま死んじゃうかもしれない


胸がドキドキしすぎて
キュンキュンしすぎて
苦しすぎて死んじゃうかもしれない…!!



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