Happy birthday
淡いピンク色
朝登校すると、1人の女子に呼ばれる。
吉村…なんだっけ?
※有紗です。
吉村は中学が同じのクラスメートで…雛子の親友…そして、俺が雛子を好きだと感づいている女。
雛子と吉村のところへ行けば、知らされる雛子の誕生日。
………吉村、誕生日なら前々から言えよ…何も準備してない…
そんな思いがいっぱいで、眉間にシワを寄せた。
だから、「おめでとう」すら言わなかったなんて、自分でも気付かなかった。
俺の頭は『どうしようか』って事ばかりで……
好きな事以外は無頓着だったから…いざ好きな人が出来ても、その子の好意に薄々気付いても、
どう切り出したら良いのかわからない。
だから、わからない頭で春のあの日から頭に焼き付いている雛子の笑顔を描いて………
夢中になってたら放課後になったんだ。