♡祐雫の初恋♡

虹色のときめき


 夕立の激しい雨の後は、地面が泥濘(ぬかる)んで、

 滑りやすくなっていた。


 慶志朗の靴と祐雫の白いサンダルには、泥水が滲み込んできた。


「さぁ、どうぞ」


 慶志朗は、雨で濡れた斜面を下る時は、先に下って、

 祐雫へ手を差し伸べる。



「ありがとうございます」


 祐雫は、慶志朗に手を引かれながら感動して、


(なんてお優しい方でございましょう)


 と、慶志朗の逞しい腕に見惚れていた。


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