。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。

ガールズバー!?



■ ガールズバー!? ■


まさかあのナイフで中に居る従業員をグサッ!?


は、早まるな!


と思わず手が出かかったが、


「お嬢、早まらないでください」


と、キョウスケがあたしの手を引いてあたしはまたも建物の影に身を隠した。


建物の影から何事か様子を見守っていると、戒は手馴れた手付きでナイフでそのドアの錠を外した。


あっけなく扉が開く。


「あいつ…慣れてんな…ヤクザより泥棒の方が合ってんじゃないの?」


「そうかもしれませんね。お嬢のハートを盗んだコソ泥です」


きょ!キョウスケ!!おめぇこんなときに冗談言ってる場合かよ!!


そんなマイペースキョウスケは


「入っていきますね。我々も行きましょう」


と、すぐにあたしを誘導。


しかし


ガチャガチャ。


「戒!あいつ鍵掛けていきやがった!」


「当然ですね。誰か入ってこられたらマズいですから」


とキョウスケは冷静過ぎるほどの落ち着き。


「どうすんだよ…ここで出てくるの待つか?」


「いえ、そのつもりもありません。お嬢、ちょっと失礼します」


そう言ってキョウスケはあたしの耳ら辺に触れる。


ごそごそとあたしの髪に触れて、やがて一本のヘアピンを取り出した。


「ま、まさかそれで開けるってのかよ」


「そのまさかです。任せてください」


キョウスケはヘアピンの先を鍵穴に入れると、扉にぴたりと耳を寄せた。


「戒さんも簡単に錠を外したぐらいです。そんなに新しいタイプではなさそうですね」


扉に耳をつけたままキョウスケは慎重な手付きでピンの先を操る。


「だ、大丈夫かぁ?そんなんで開くのかよ…そんなドラマみたいな…」


あたしはその間にも誰かここを通らないかそわそわ。


そんなあたしに


「しっ」


キョウスケはまたも唇に指を当て、開錠に集中する。


やがて…




数秒後に


「いけます」


言葉通り、カチャっと乾いた音を立てて



ドアノブが回った。




戒にキョウスケ……おめぇらどうなってんだよ…


ヤクザよりこそ泥の方が合ってんじゃねぇの??





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