二重人格な後輩
嫌がらせ-桃Side-
涼太くんに最低な態度をとってしまった。
涼太くんの優しさに甘えてしまいそうだった。
『聞いてやるから、な?』
なんであんなに優しいの?
ずっと、命令形で強めに聞いてきてたのに。
いきなりあんなに優しい声で聞かれたら、どうすればいいか分からなくなる。
「はぁーはぁー」
喫茶店を出てから、ずっと走いたせいで息切れがしてきた。
走るのを止めゆっくりと家までの道を歩く。
涼太くん……。
我慢してた涙が溢れそうになってくる。
まだ、せめて家までは我慢しなくちゃ。