。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅳ・*・。。*・。

潜入、大狼邸!?




■ 侵入、大狼邸!? ■




あたしが拳を手のひらに打ち付けると


「決まりですね」とキョウスケは淡い笑みを浮かべて、新垣 エリナを見た。


新垣 エリナはあたしたちをぐるりと見渡すと


「ほ、本当に、ありがとう!!」


と頭を下げ、


ぽたっ…


テーブルに涙の雫が落ちた。


せき止めていた何かが決壊したように、その後新垣 エリナは涙を流し続けた。


あたしたちはただ黙って―――その姿を眺め


でも全てを受け止めるように


口を噤んだ。




―――その後は、話題を変える様あたしたちはくだらない話で盛り上がり、


パフェも食い終わって、新垣 エリナをきちんと家に送り届け、


久しぶりに三人並んで龍崎家まで帰った。


離れていたのはほんの数日だってのに、三人で歩くのが随分久しぶりな気がして


何だか気恥ずかしかったけど、


でも


あたしはやっぱりこうやって三人で並んで歩けるのが



嬉しかった。




そして嬉しい人物がもう一人…


三人一緒に帰宅したあたしたちを見て、


「お嬢!メガネ(戒のこと)とキョスウケと仲直りできたんすね!!」


ごっついクマみてぇな風体のマサが、子供のようにおいおい泣いていて


あたしたちは思わず顔を合わせた。




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