桜廻る

六、竹とひまわり




──
───
────


目が覚め、鏡を見る。



泣きすぎて目は真っ赤になっていた。



また涙が出そうになるのを堪え、雅は台所へと向かった。



昨日と同じように、土方が朝餉を作っている。







「土方さん、おはようございます」



「……あぁ」








短い返事をした土方のそばに向かう。



黙々と何かを作っている土方。







「私も、作ります」



「……あぁ」







昨日の事もあって、何だか気まずい。



その時だった。






「雅」






土方が、包丁で野菜を切りながら、不意に話しかける。



< 57 / 419 >

この作品をシェア

pagetop