【完】結婚させられました!?
□鈍感で天然な君への憂鬱:陽介side
数時間前まではものすごく幸せだった。
だって、好きでたまらない彼女と初めて
のデートだし。
まぁ、ペンギンも見れたし?
なのに今は、黒々としたもやもやが胸の
奥に燻っていやな気分だ。
俺達はあれから、近くのカフェまで来て
いて、目の前の心優はというと、頼んだ
レモンティーに触れさえもせずに。
両手を膝の上で固めたまんま、チラチラ
と俺を伺うように見つめてくる。
俺はそんな心優には気がつかないフリを
しながら、コーヒーを啜った。
───事の発端は、心優への電話だった
。
水族館で、そろそろ観るものも無くなっ
て来たな、という時。
不意に心優の携帯が鳴って、心優がそれ
に出た。───そこまではいいけど。
それから心優はちょっと焦ったり、時に
は何故か頬を染めたりして、その挙げ句
。
"婚約は破棄って"───なんて爆弾を落
とした。