最愛レプリカ

補導


母には朋美の家に行くと言って家を出た。

だけど私が向かったのは朋美の家なんかじゃない。
私は一人で街へと出る。


学区から離れた街を人込みに紛れながら一人で歩き、着いた先はファーストフード店。

バーガーとポテト、コーラのセットを注文し、窓際の席に座る。


堪らなく胸がザワついた時、私はこうして高校から離れた場所に逃げてくる。

知り合いに会うことのない場所で、やりたいことをやる。

私なりの、気晴らし。
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