二重人格神様~金と碧の王~

嫉妬




***



「…あの、いのり。そんなに見つめないでくれないか?食べにくいよ」


昨日、あのあと、彼が言う通り、アレスが迎えにきてくれた。

酷く心配されると同時にものすごく謝られ、手当てをして、その日は眠った。それで、朝になり、アレスに連れられ朝食を食べていたのだけれど…


何故だか、海鈴さんも食べることになり、わたしは、彼に対して警戒しながら、食べていた。


「あ、ごめんなさい」


見つめていた視線をはずし、朝食を食べる。


不思議なことに、海鈴さんは朝になったら、いつもの海鈴さんに戻っていた。

瞳の色や雰囲気、話し方も、私の知っている海鈴さんだった。


昨日の彼が嘘だったんじゃないかって、思う
ほど。


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