嘘つきヴァンパイア様

祖国へ



***


「じゃあ涼子!彼氏さん!今日はありがとうございました!涼子!また、学校でね!」


「うん、またね」


それから一時間後、彼女は元気を取り戻して涼子達と別れた。


「女の子って凄いな。あんなに泣いてたのにケロッとしてるし」


「…うん」

「しかも、泣いてたくせにステーキにケーキまで食べたしな。流石だわ」


「そう、だね」


「涼子?」


呉羽の言葉にどこか上の空の涼子に呉羽は不思議そうに彼女の顔をのぞきこむ。


「どうした?体調悪いのか?」

「そうじゃないよ。ただね、ちょっぴり悔しいなって」


何が悔しい?言葉の意味が呉羽には分からなく、黙っていると、不意に涼子はクスリと笑う。


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