恋の賞味期限 愛の消費期限(Berry’s版)【完】

夜半の密会

コンビニにつくと、あの人はいつもの会社支給の軽四ではなく、

自分の車で来ていた。

うっすらスモークの貼ってある車に目を凝らすと、

視線が合ったのがわかったのか、こちらに向いて手招きした。

後部座席のドアを開け乗り込む。

車はゆっくりと滑るように走り始める。


「どうしたの?あなたからあんなメールなんて」

私は沈黙を破り横顔の彼に向かい話し始めた。

彼は運転したまま、煙草を吸おうと火をつけた。


火が付き煙が車の中を満たす。

「ん?会って話した方がいいかと思って…」

「そう。こんな会い方は初めてね。私たちいつも、

会うときは密室で一晩一緒だったから」

「ああ」

煙を吐きながら、ばつの悪そうな顔をする。

「別にいいのよ。責めてるわけじゃないから。ところで何?話って」

それ以上は、沈黙してなかなか話そうとしない。

車は静かな公園の駐車場に止まった。

車のエンジンを切り、こちらに向く。
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