復讐のkiss

ラメセス王の愛

…それからしばらくは戦はなかった。

ラメセスの肩の傷は日に日によくなっていく。

休戦のおかげもあるのだが。


「ラメセス様、包帯を取り換える時間です」

医者と看護師がラメセスの元にやってきた。


私はその一部始終を、

黙って見つめていた。

…事もあろうに、

私は無意識に言葉を発していた。


「包帯を巻かせてくれませんか?」

私の言葉に皆が驚いていた。


でも、一番驚いていたのは、

他でもない、私自身。


「ミラ様にそのような事はさせられません。

傷口も結構酷いですし・・・」

看護師は慌ててそう言った。


「そうですよね」

そう言いながら、ホッとする自分がいた。


「…いや、ミラ、頼んでもいいか?」

ラメセスの言葉に、目を見開いた。

「あの・・・」


「イヤならいいが」

「・・・いえ、やらせてください」
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