久遠の花〜 the story of blood~【恋】
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夜中に出れるよう、私は準備をしていた。
とは言っても、普段どおり過ごして、部屋で迎えが来るのを待ってるだけなんだけど。
「――まだ来ない、か」
時計の針が、ちょうど十時をさす。
来るのは十一時ぐらいだから、まだ一時間も余裕がある。特にすることもないので、ベッドに寝転がりながら時間を潰していた。
そうしていると……段々心地いい気分になってきて。次第に、睡魔から手招きをされ始める。
「――――ん…」
頭に、微かな重みを感じる。
何度か瞬きをして見れば、誰かがいるように見えた。
「あ、起きちゃった?」
目の前に、なぜか雅さんの顔が。幻覚かと思っていたが、頭が冴えるにつれ、それが現実であることに気付いた私は、慌てて飛び起きた。
「いきなり起きたら危ないよ?」
「ど、ど、どうして!?」
「キョーヤの代わりに来たんだよ。アイツ、他に呼び出しがあるらしいから」
「そう、ですか……。で、でも! だからといって、勝手に入るなんて」
「一応声はかけたんだよ? でも美咲ちゃん起きないし、窓で待ってたら不自然だし。だから中で待たせてもらったんだよ」
寝てしまったのは悪いけど……だからといって、目の前で寝顔を見られるなんてこと、恥ずかし過ぎる!
「その……心臓に悪いですから、いきなり近付かないで下さい」
「嬉しいな~。それだけオレのこと、意識してくれてるってことでしょ?」
「ち、違いますよ!」
意識してるのには、違わないかもだけど……。
多分、雅さんが考えているのとは別じゃないかと思う。
夜中に出れるよう、私は準備をしていた。
とは言っても、普段どおり過ごして、部屋で迎えが来るのを待ってるだけなんだけど。
「――まだ来ない、か」
時計の針が、ちょうど十時をさす。
来るのは十一時ぐらいだから、まだ一時間も余裕がある。特にすることもないので、ベッドに寝転がりながら時間を潰していた。
そうしていると……段々心地いい気分になってきて。次第に、睡魔から手招きをされ始める。
「――――ん…」
頭に、微かな重みを感じる。
何度か瞬きをして見れば、誰かがいるように見えた。
「あ、起きちゃった?」
目の前に、なぜか雅さんの顔が。幻覚かと思っていたが、頭が冴えるにつれ、それが現実であることに気付いた私は、慌てて飛び起きた。
「いきなり起きたら危ないよ?」
「ど、ど、どうして!?」
「キョーヤの代わりに来たんだよ。アイツ、他に呼び出しがあるらしいから」
「そう、ですか……。で、でも! だからといって、勝手に入るなんて」
「一応声はかけたんだよ? でも美咲ちゃん起きないし、窓で待ってたら不自然だし。だから中で待たせてもらったんだよ」
寝てしまったのは悪いけど……だからといって、目の前で寝顔を見られるなんてこと、恥ずかし過ぎる!
「その……心臓に悪いですから、いきなり近付かないで下さい」
「嬉しいな~。それだけオレのこと、意識してくれてるってことでしょ?」
「ち、違いますよ!」
意識してるのには、違わないかもだけど……。
多分、雅さんが考えているのとは別じゃないかと思う。