散華の麗人

紅碧

そして、日が沈みかけた頃、馬に跨り、茶屋を去ろうとした。
一正は独り取り残される老婆に目を向ける。
「婆さんひとりじゃ心配や。千代。」
千代は頷いて、老婆を馬に乗せた。
一正は片手でひょいと茶々を乗せて馬を走らせる。
「行くぞ。」
その声を合図に風麗は身を隠し、一同は馬を走らせた。
< 114 / 920 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop