§スウィート・ルージュ§~甘い秘密を召し上がれ~(完)

決断…


コンテストを2日後に控えた日曜日
私のベッドの隣で
ぐっすりと眠のる直の横顔を見てた



昨日、夜、悟さんがきて
いつものようにお茶を飲み、
たわいのない話をし帰っていったあとすぐに


直からメールが来た…


“咲和が欲しい、咲和が足りない、これから行っていい?”


「直ってば…火曜日にシたのに…」


そういう私自身、直と一緒にいたかった


返信してすぐに
スマホの着信音が3回鳴った


これが私と直の合図


部屋へと迎え入れると
お互いがお互いを何度も求め合う
2人で溶けてしまうんじゃないか、ってくらい…

瞳の端で窓の外を見れば
外が薄暗くなり
ようやく2人で眠りについた





直って、やっぱりイケメンだなぁ
真横で眠る直の
アゴのラインをそぉっとなぞってみる


と、

テーブルの
私のスマホが振動してる

エコモードのスマホのディスプレイの光がまぶしい


誰だろう…


床に落ちていたルームウェアを着て
スマホを手に取る

ディスプレイを見ると…


悟さん…だった


「はい…」


「おはよう、咲和」


「おはようございます」


「今日、10:00にマリンホテルの衣装室来て」


「衣装室、ですか?」


「あぁ、僕がやっと休みを取れてね

僕と咲和の衣装合わせするよ

君のご両親にも連絡したから

遅れないようにね

じゃぁ、あとで」


ガチャ


「あ、悟さんっ!!」


衣装合わせ…って


どうしよう…


私が、ハッキリと言わないから…

現実を突き付けられた私は
スマホを握りしめ、うずくまる


「咲和…?」

私の肩に手が置かれた

直を起こしてしまったようだ


「咲和、どう…したの?」


優しい声に胸が痛くなり、抑えていた涙が溢れだした


「…な…お…、ごめ…っん…」


直の胸に飛び込み、ギュッとしがみついた


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