秘蜜の秘め事

第２章

売れっ子小説家、古沢真さんが隣に越してきて、早２週間。

特に発展していない。

会ったらあいさつをすると言う定番なご近所づきあいはしている程度。

それ以外のこと、例えば食べ物のおすそわけとかモノの貸し借り。

前者は１人暮らしと言うこともあり、余るほど料理を作る機会なんてない。

そんなことしたらもったいないもん…。

後者に至っては間にあっているから、なおさらない。

例えば洗濯機が壊れたら近所のコインランドリーに行けばいい話だし、料理ができなくなったらコンビニ弁当とかデリバリーで何とかすればいいだけの話である。

そもそも、わたしと彼は隣の部屋に住んでいるだけのご近所さん。

もう少し言うならば、女子高生と売れっ子小説家。