Wonderful DaysⅠ

神威





アル兄さんが乗った車が暗闇に消えて行くのをボーっと見ていると、冷たい風が頬を撫でた。


───家に帰ろう・・・


そう思い直して木田さんが待っていた車に乗り込んだ。


「お疲れ様でした。如何でしたか?アルバート様とのデートは」


お茶目な木田さんがウィンクしてミラー越しに聞いてくる。


「はい。とっても楽しかったです」


本当に嬉しかったのが表情に出ていたのか、私の顔を見ると目を細めた木田さんはゆっくりと車を動かし始めた。


───今日は、ほんとに楽しかったな・・・


余韻に浸りながら窓の景色を眺めていれば、何だか異様な光景が目に飛び込んできた。

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