10年後のクリスマス…あなたに会いに行きます

スター誕生

そして、今日は卒業式。



潤平と過ごした楽しい時間も今日で終わり。



涙は出なかった。




校庭で卒業証書を手に持って、潤平が来るのを待っていた。



人気者の潤平は中々現れないから、潤平に高校前の公園で待ってるねと、メールした。



約束の時間を30分過ぎた頃、潤平が駆けて来た。



潤平の制服のボタンは一つもない。



人気者だから仕方ないか。



一つでも残ってたら、貰おうと思たのにな。



「ごめん、待たせて。何泣きそうな顔してるの。」



知らない。



「ほら、最後の一個は樺音の物だから。」



やっぱり、潤平は凄いよ。



私のほしい言葉を必ず言ってくれる。



「潤平、ありがとう。大好き。」



「なんで、最後にそれをいうかな。」







「樺音らしいけどね。」



最後だから、言って置きたかった。



もう、会えないのだから。



「あのさ、本当は樺音の為にも、未来の約束はしたくなかったけど、欲をだして一つだけ約束してもいいかな。」



私が頷くと、潤平が言った。



「10年後、もしお互いが独身でいたら、クリスマスの12月25日の18時に、この公園で会おう。」



そんなの狡いよ。



私は潤平を信じて待ち続けてしまうのに。



10年後も私の気持ちは多分変わる事はない。



潤平はどんな気持ちでこの約束をしたのか。



今となっては分からない。



10年過ぎても、私は新しい恋も出来ずにいた。





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