アラサーラプソディー♪~運命のヒトは誰?~【加筆修正版】

♯ 通じ合う心?


「なんでよ…なんでっ!
航はなんでいつも肝心なコト言ってくれないのっ?」

流れる涙を拭わず、航を見上げる


「言えないなんて…
私、航の何を信じればいいの?!

あの女の人と娘を見た時の私の気持ちなんてっ
全然、わかってないでしょっ!!」


心にある思うコトを航にぶつけた


「彩月…」


航が私の頬を両手で掴み、クイと上を向かせた
その瞳は、真剣で優しい

「わかった…
彩月俺が悪かった…

ちゃんとお前に信じてもらいたいから、
全て、話す…

だけど…お前にとっても苦しいコトかもしれないぞ…」


私にとっても苦しいコト?

航の瞳を見つめ返し、航の言葉を待つ。


ゆっくりと言葉を選びながら、あの親子のことを話してくれた。
あの女のヒトは、尚兄の元カノ
と、言っても、尚兄が一時、LAの病院にいた時だけの彼女だった。

看護師の彼女は、仕事はできて、看護師の間では信頼されていた。
だが、プライベートは…
尚兄と付き合っていた時も、他につきあっている人がいたそうだ。
元カノは、尚兄の子供、だと言い張ってるけど、
本当のところはわからない

尚兄も、認めていない…
だから、慰謝料も養育費も拒否
ハッキリさせるため、彼女にDNA鑑定を求めてる

だけど、彼女は拒否。

本当は、尚兄が、瑤子さんに会って、話合わないといけないのだけど、
尚兄は、こっちに帰ってこられない
だから、航が代わりに会っている



「そう…だったんだ…」


私の知らなかった尚兄に、驚きを隠せず
力が抜け、その場にゆっくり座り込んだ。


「彩月…?」


片膝をついて私の視線に合わせてくれる航。


「航…私、航のコト、信じてみる
だけど
もう、私に、ウソも隠しごともしないで…

1人に…しないっ…」


言い終わらないうちに、航が私の唇を塞いだ。


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