【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー

ぽわぽわ王子様

この世に『類友』という言葉があるのは
、きっとこの三人の為だと思ってしまう。



やって来た男は………こりゃもう、ビックリ。またもやイケメン。しかも、眼鏡。



脱色しまくった銀髪の、ふわっふわのパーマのミディアムショートに、この地の海より薄い、ターコイズブルーの大きな瞳。女の子みいなぷっくりした唇。



その瞳を覆う、赤いフレームの四角い眼鏡は、ハイビスカスを思わせ、肌の白さと瞳のコントラストは、さっき見た、海と砂浜の対比みたい。



絵本の王子様みたいな可愛らしい風貌の、男の子。



その男の子は、私に近付いてニッコリ笑った。



「勿体ねーらん!化粧薄い方が、きっとうじらーさんぬんかい!ヤー、元々うっぴーねぇ、みー元キツイやっしー?」



「えーっと、あの、うちなーぐち、分かんない。」



私の付け睫でふさふさの目元を触る王子様に、ぎこちなく笑うと『すまん』と王子様は謝った。



「化粧薄い方が、可愛い顔だと、思ったんよ!」



こ…ここに来て初めて悪口じゃない言葉ァァ!



「そのいなぐは馬鹿ですから、調子に乗せないで下さいよ。」



「黙れ鬼畜!お前はとりあえずどこか深いところへ埋まれ。」



すかさず鬼畜が喋るのをピシャリと制した私に、王子様はケラケラと笑い始めた。



「生意気でゆたさんやー!俺は雅治、照喜名雅治(てるきな まさはる)ゆたしくなぁ!」



元気な彼は、容赦ない暑さをもたらす、太陽みたいな子だと、そう思った。
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