捨てる恋愛あれば、拾う恋愛あり。

~2回目のデート

 
***


「え?車ですか?」

『はい。車酔いしたりしますか?』

「あ、いえ。酔いはしないですけど……惣介さん、車持ってるんですね」

『そこですか?車運転するのが好きなんですよ。ふらっと一人でドライブに行ったり、友達や同僚と遠出したりもしますよ』

「へぇ……やっぱり意外です」

『うーん。ですかねぇ』


惣介さんが電話の向こうで首を傾げているのが、目に見えるようだ。


今日は水曜日。

水曜日はお互いにノー残業デー制度が会社にあることを知り、その日はお互いに用事がなければ電話でおしゃべりするのが定番になっていた。

と言っても先週からだけど。

平日はだるいだけだったのに、今ではその水曜日が来るのが楽しみだったりする。

こうやって話している今でさえ、すでに来週の水曜日が楽しみ。

惣介さんとおしゃべりするのは楽しいから。


今日の議題は“次のデートについて”。

議題と言っても、ふと思い出したように「そろそろ2回目のデートをしましょう!」と惣介さんが誘ってくれたんだけど。

この前の休日は私が大学の友達に会うからと、惣介さんとは会わなかった。

……とは言っても、少しだけ電話でおしゃべりはしたんだけど。

2週間ぶりに惣介さんに会うんだと思うと、嬉しい気持ちが込み上げてきた。

惣介さんの存在が私の中で大きくなっていくのが、日々感じる。

それが“恋愛感情”というものなのかどうかはわからないと思いつつ、どうなんだろうか?と思う毎日だ。

 
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