甘い心はあなた一色

無防備も考えモノ





あたしが織くんに出会ったのは、今からちょうど1年前。



織くんが入学してまだ間もないころだった。



「わわわ!!」



遅刻しかけていたあたしは、たくさんの人たちを前に昇降口でカバンの中身をひっくり返してしまったんだ。



……うわ、最悪だ。



ちょうど彼方は用事があるとかなんとかで一緒に来てなくて、今日に限ってあたしは1人。



まわりからは笑い声が聞こえた。



は、恥ずかしすぎる……。



いや、恥ずかしさを通り越してもう情けない。



あたしはいつもドジばっかり。



高校生になってもなにも成長してないんだから。



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