first love~世界で一番素敵な初恋~

私の知らない私



全国大会が終わると学校で祝福され、学校に行くと違う意味で注目されるようになった。
やっぱり、全国大会で優勝したことは大きい。


実は今まで、去年優勝した人物が私だと知られていなかったのだが、今年の全国大会に来ていた生徒により学校中に広まったらしい。


そのおかげで私は廊下を通るだけで黄色い声を上げられるようになり、練習中も私に対しての声援があった。


「唯那ちゃんが前の高校で女子から人気があるのは知ってたけど、まさかそれがここでも起こるなんてな」


なんていうのは、晃さん。


「え、何でそれを知ってるんですか?」


白樺学園のことをここで話した記憶はない。
だから、晃さんが知っている理由が分からなかった。


「だって白樺学園での練習試合の時、女の子達に騒がれてたじゃん。唯那様ぁ!って。」


あ、そういえば練習試合の時も女の子達が応援に来てくれてたんだっけ。


「まぁ、美人で全国大会覇者なら人気者になるのは同然だよね。」


「私、全然美人じゃないですよ?
性格も男っぽいって言われますし(笑)」


私はかなりの負けず嫌いだし、女の子達みたいにブランド品に興味がなければ化粧も一切していない。


女の子という言葉からは程遠い存在だと思っている。


「唯那ちゃんは無自覚なんだね……」


「え?」


私はその晃さんの言葉は聞こえていなかった。


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