月影
三日月

1

講習に行くのをやめたので、週末を普通に休日として過ごすことができるようになった深幸は、リビングでのんびりと紅茶を飲みながら、溜まっていた録画番組をボーッと眺めていた。

「今日は出かけないのか?」

ソファに座っていた深幸を後ろから抱きしめながら、政宗が聞いてくる。

「うん、予定はないよ。てか、邪魔」

ぺしっと自分に絡まっていた腕を払いのけ、テレビの眺めながら答えた。

「そうか。俺は今から仕事だよ」

残念そうに呟く政宗。
深幸はがんばって、とだけ答えて、ヒラヒラと手をふる。

「相変わらず冷たいな、深幸は」

言って、わしゃわしゃと頭を撫でてくる。もぉ!と深幸が怒ると、政宗は満足そうに笑った。

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