くるうみ。~あなたと過ごした3日間~

~ハヤト





野島はあたしの叫びが届いたのか、紅い輝きは失せ、それと同時にスキンヘッドを離した。


スキンヘッドは顔面からもろに地面に落ちたけど、ぬかるんだ土だからまだ大丈夫そうでホッとした。


「……くそッ」


野島は両手で顔を覆うと、その場で膝を着いて唸った。


雨で霞んで細かい部分はよく見えないけど、ケガでもしたのかもしれない!?


あたしを助けてくれたから?


そう思うといてもたってもいられず、野島のいる場所まで足を引きずりながら近づいてった。


野島の体はまだ仄かに輝きを放ってる。


いったいどういう事なんだろう?


ともかく、あたしは野島のそばに屈んでハンカチと絆創膏を取り出した。


「あの……ありがとう。どこか痛む場所とかある? 大した手当てはできないけど、言って」


だけど、顔を覆ったままうずくまった野島は何かを堪えるように押し黙ったまま、こちらを見ようともしない。


ムカッときたけど、恩人に向かって失礼な事は言えない。


雨はずっと降りっぱなしでやむ気配がない。


しばらく雨に打たれてると、野島がポツリと口に出した。
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