臆病者のシーソーゲーム(仮)
4
製作中
昨日は『梅雨』を思い知らされるように雨が一日中振っていたのに、
日曜日の今日はカラッと晴れて日差しが熱い。
家から歩いて10分。
小さな公園が目の前に見えた。
入り口には『あおぞら公園』と書いてあり、
中には砂場が1つと遊具が3つ。
日曜日という事もあり、
小さな公園の中では近所の小学生たちが、
自分の島の様にその場所で遊ぶ。
私の通っていた小学校とは逆方向だし、
もっと家から近い場所に公園があったから、
私は小さい頃ここで遊んだこと無いけど、
キーキーと鉄の擦れる音がするブランコ。
木の枠で仕切られた砂場。
錆が見えるジャングルジムと、それを占領するガキ大将。
順番待ちで並び、押し合いの喧嘩になる滑り台。
それを見ていると幼い頃を思い出して懐かしく思った。
公園に行かなくなったのはいつだろう?
公園に通っていたあの頃。
あの場所は私にとって遊園地の様に楽しい場所だった。
今では『何が楽しいの?』と思ってしまうものでも、
夢中になって汗をいっぱい掻いて遊んだ。
そんな数年前を思い出していれば…
「椿」
後ろから聞こえてくる心地よい声。
その声にクルッと振り返れば、
制服じゃない悠の姿。